シトクロムP450機能を活用したバイオプロセスの構築

シトクロムP450は生物界で巨大なスーパーファミリーを構成するモノオキシゲナーゼです。P450は多種多様な機能を発現して生物種特徴的な二次代謝機構を支えています。ヒトが薬や異物を代謝したり、植物がきれいな花色を呈したり、担子菌が木質バイオマスを分解できるのもP450機能の多様性によって支えられています。また、P450が位置・立体選択的な酸素添加反応を行うことから、産業界においても有用な触媒ツールとして期待されています。
当研究室では、真核微生物に由来するP450機能を利用した新規バイオプロセスの構築を目指しています。木材腐朽担子菌および麹菌が有する500種類のP450を異種発現させて、迅速・網羅的な機能探索システムを構築しました。世界最大のP450機能ライブラリーです。一連の研究を通じて、真核微生物のユニークな代謝機構を支えるP450分子種が数多く発見されました。また、生理活性物質の産生を可能とする有用分子種の同定にも成功しています。遺伝子工学・タンパク質工学的手法を用いてP450酵素の機能強化に挑戦し、実用プロセスの構築を目指しています。

P450 機能性ライブラリーを用いた網羅的反応スクリーニング